家庭用蓄電池の基本情報とメリット・デメリット

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家庭用蓄電池の基本情報とメリット・デメリット

2020.06.22基礎知識

家庭用太陽光発電の制度がスタートした2009年11月から10年が経過した2019年以降、電力会社による余剰電力の買取保証期間が終了し(卒FIT、そつフィット)、高値であった固定価格で買い取ってもらえなくなる家庭が現れ始めました。2020年には約20万件が卒FITを迎えます。

卒FIT組とも呼ばれるこれらの家庭には、引き続き電力会社に買い取ってもらうか、家庭内で消費するかの2つの選択肢がありますが、余った電力を家庭内で有効に消費するために利用するのが家庭用蓄電池です。 台風や地震など自然災害で電気がストップした時にも役に立つ手段として、注目を浴びています。

今回の記事では、家庭用蓄電池の基本的な情報、購入のメリット・デメリットをお伝えすることで、家庭用蓄電池の購入の検討材料としていただけるように、情報提供をします。

家庭用蓄電池と太陽光発電の関係

太陽の光を電力に変換する方法で発電した電力は、その場で使いきらなければ無駄になってしまいます。無駄なく効率よく電力を使うために需要が増えてきているのが、電気を貯める家庭用蓄電池です。

太陽光発電と蓄電池を併用する効果

太陽光発電で電気を発電するには、文字通り太陽の光が必要です。雨や曇りなど天気が悪い時は発電量が減り、日が差さない夜間には発電できません。昼間に太陽光で発電した電力を蓄電池に貯めることで、夜間や悪天候時でも電力が利用できます。

このように太陽光発電と家庭用蓄電池を併用することによって、太陽光発電だけでは足りない分、すなわち電力会社から購入する電力量が抑えられて、経済効果が得られます。

家庭用太陽光発電のメリット

家庭用太陽光発電を取り入れるメリットとして、下記の3点が挙げられます。

1. 電気代の削減
太陽光で発電した電力で生活ができれば、電力会社から購入する電力量をもちろん減らせますし、オール電化住宅などシステム条件によっては、購入電力量がゼロになる可能性もあり、電気代の削減につながります。 総務省の家計調査によると1世帯1カ月の電気代は平均10,638円(2019年度)です。全額ではないとしても、毎月の電気代が抑えられるのは嬉しいことです。

2. 発電した電気を売れる
自宅で発電した電力は、蓄電池を持っていないと貯められません。太陽光で昼間に発電した電力のうち、発電時に家庭内で使いきれずに余った電気を、自宅から送電線を伝って電力会社へ送り、電力会社に買い取ってもらえます。これを売電といいます。 売電をすれば、電気を自給自足するのに加えて収入にも繋がります。

3. 停電時にも電気が使える(自立運転機能)
太陽光で発電した電力を直流から交流に変換する装置であるパワーコンディショナー(パワコン)に自立運転機能があれば、停電で電気が止まった時でも電気を使えます。自立運転機能とは、パワコンに付属の自立運転コンセントから電気を取り出す機能で、専用の自立運転用コンセントに繋ぐことで、非常時にでも電化製品が使えます。その際、自立運転で使える電力の上限は1,500Wです。

家庭用太陽光発電のデメリット

家庭用太陽光発電を取り入れるデメリットとして、下記の3点が考えられます。

1. 初期費用がかかる
家庭用の太陽光発電システムを取り入れるには、太陽光パネル・パワーコンディショナー・架台などの設備費と、これらを取り付けるための工事費がかかります。 経済産業省資源エネルギー庁によると、これらシステム費用1kwあたりの2019年度平均価格は30.6万円。一般的な家庭に設置する太陽光パネルの容量を標準の5kwとすると、初期費用は約153万円かかる計算です。初期費用を抑える方法として、補助金やローンがあります。

2. メンテナンスが必要
太陽光発電システムは、設置したらそれで終わりではありません。屋内や屋外に設置するために作られる設備とはいえ、雨風やほこりにさらされ続けていれば、劣化や不具合が起きることもあるでしょう。 安全に正しく使うためには3~4年に1度はメンテナンスをするのが好ましいといわれています。また、パワーコンディショナーは20年に1度の交換が必要です。

3. 発電量が天候によって変わる
太陽光発電システムで作られる電力は、一定ではなく常に変動しています。太陽の光をエネルギー源としている以上、天候に左右されるのはどうしても避けられません。 晴れて太陽がさんさんと降り注ぐ日には、発電量は増えます。反対に雨や曇りの日は発電量が減るので、梅雨や台風など雨が続く時期は発電量が期待できなくなります。

太陽光発電を導入する家庭は増えている

家庭で太陽光発電システムを取り入れる動きは増加傾向にあり、全国に設置された累積の容量は、2018年末までで約5,500万kWにも上ります。FITの買取制度が始まった2012年の設置容量と比べると約6倍にまで増えました。それまでのゆるやかな増加傾向から一転して、2012年以降は急激に普及が拡大しています。

これはFITの買取価格が固定されて、余った電気を一定の価格で買い取ってもらえることにメリットを感じたご家庭が、次々と設置していった結果でしょう。

卒FITで蓄電池への注目が高まった

先述のとおり2019年11月以降、太陽光発電で発電した電気を引き続き電力会社に買い取ってもらうことが可能ですが、売電価格はFITが導入された当時の価格から年々下がる傾向にあります。卒FIT後、小売電気事業者が公表している売電価格の相場は、7円から8円/kWhあたりがほとんどです。

FIT導入の初期に契約した2019年卒FIT組で具体的に見てみると、固定売電価格42円/kWhから卒FIT後は8円/kWh前後と、約5分の1にまで売電価格が下がってしまいました。

売電によるメリットが少なくなったことに加え、安い価格で売るくらいなら自分たちで電気を消費しようとして、2019年以降は家庭用蓄電池を導入するご家庭が増えています。

卒FITについてより詳しい情報を知りたい方は以下の記事をご覧ください。
→卒FITの家庭用太陽光発電はどうすべき? 賢い選択とは

家庭用蓄電池を購入するメリットとデメリット

購入を検討している方は、家庭用蓄電池を導入するとどんなメリットとデメリットがあるのか、両方について知ったうえで購入するか決めましょう。

家庭用蓄電池のメリット

1. 太陽光発電の電気を効率よく自家消費できる
家庭用蓄電池を上手く使うと、ご家庭で太陽光発電した電気を効率よく消費できます。 蓄電池を使わず太陽光発電だけを設置している場合、発電時に使わない電気は売電しない限り捨てるしかなく、そのまま無駄になってしまいます。 そこで、発電して使いきれず余った電気を蓄電池に貯めておけば、日が差さない夜間や天気が悪い日にも時間を選ばず、この貯めた電気を使えます。こうすることで電力会社から購入する電気も減らせるので、効率のいいエネルギー消費といえます。

2. 安い時間帯の電力を使える
家庭用蓄電池を導入したら、電力会社との契約を夜間帯が安くなる電気料金プランに変更するのがおすすめです。梅雨や台風など雨が続く時期には、昼間の日照時間も短くなり太陽光発電だけで電力をまかなうことがむずかしくなります。 日常的には太陽光で発電した電気を使って生活し、足りない時は割引料金で安く電力会社から購入して蓄電池に貯めた電気を夜間に使えば、夜間と日中の電気料金差額分を節約できます。

3. 災害や停電時でも電気が使える
蓄電池を導入している家庭は、災害が起きて電気がストップした時にも、電化製品を使えます。私たちの生活のほとんどは、照明・冷蔵庫・テレビ・スマホ・鉄道など、多くの電力に頼りながら明るい部屋で温かいご飯を食べ、メールを読み、ニュースを見て、通勤しています。 もし災害が起きて電気が止まったら、これらのことがあたり前にできなくなり、生活に支障が出るでしょう。こうした災害時にも蓄電池に貯めた電気があれば、電化製品を使って生活を継続できるのです。

家庭用蓄電池のデメリット

1. 初期費用がかかる
家庭用蓄電池に使われるのは、一般的にリチウムイオン電池です。このリチウムイオン電池はくり返しの充電に向いていて、鉛の蓄電池に比べ軽くて寿命も長いという利点があります。しかし、高性能なだけあって、その価格も高いのがデメリットです。 蓄電池を導入すると初期費用で100万円から200万円くらいはかかるといわれています。 もし太陽光発電システムと同時に家庭用蓄電池を設置するとなると、さらに150万円前後必要なので、300万円近い初期費用がかかります。

2. 容量と寿命がある
蓄電池には寿命があり、定期的な交換が必要です。どんなに性能がよい蓄電池でも、充電と放電をくり返していけば少しずつ劣化し、充電できる容量も減っていきます。使う頻度や設置環境によって劣化スピードは変わりますが、設置からだいたい10年以上経つと、交換時期を迎えるものです。 交換時にはまた費用がかかるのも、忘れてはいけないポイントです。蓄電池の保証期間が10年から15年ほどに設定してあるのも、それを見越してのことだといえます。

3. 設置スペースが必要
導入を検討する段階で、蓄電池をどこに置くのかも考えなくてはならないことの一つです。屋外型と屋内型があり、メーカーにより異なりますが、サイズは屋内型で高さ400mmから1000mm、幅600mmから1000mm、奥行120mmから500mmで、大きめの空気清浄機のサイズ感です。 また、家全体で使える「全負荷型」と特定の部屋やコンセントのみ使える「特定負荷型」があり、一般的に特定負荷型の方がサイズは小さめです。それでも決して小さい機械ではないので、購入前に置く場所の寸法をしっかり確認しておきましょう。

より詳しい太陽光発電と家庭用蓄電池のメリットとデメリットは以下の記事をご覧ください。
→太陽光パネルに蓄電池は必要?仕組みメリット・デメリットを解説

家庭用蓄電池の価格

2017年の経産省環境エネルギー庁の資料によると、家庭用蓄電池の価格の相場、価格帯は2015年度で22万円/kWhでした。蓄電池の容量を5kWh、1kWhあたりの価格を22万円とすると、2つの値を掛けて110万円が本体価格です。2020年度は9万円/kWhを目標にかかげており、今後も蓄電池の価格は下がることが期待できます。

メーカーによって違いはありますが、蓄電容量1kWあたり20万円前後です。4kWhの蓄電池なら100万円から120万円、大容量の10kWhなら200万円以上になるでしょう。屋内使用あるいは持ち運びできる容量の小さいタイプのものであれば数十万円。屋外定置型で家庭使用電気をある程度カバーできる容量なら100万円以上と予想できます。

しかし、購入時の価格は、本体価格以外に設置工事費用、電気系統工賃などの諸経費合計であり、トータルいくらになるかが肝心なので注意しましょう。

家庭用蓄電池の価格について、以下の記事で詳しく解説していますのでこちらもご覧ください。
→家庭用蓄電池の価格・相場|安く賢く買うために必要な情報まとめ

家庭用蓄電池の種類

家庭用蓄電池とひと口にいっても、その種類はさまざまです。 メーカーによって、電池を貯める容量や寿命も異なります。

家庭用蓄電池を販売しているメーカー

蓄電池を導入する家庭は2011年以降、増え続けています。蓄電システムの出荷台数は2018年度に73,594台まで増加しました。2017年度の台数は49,481台で、1年で約1.5倍に増えています。これはもうすぐ卒FITを迎える家庭が多いことや、近年の自然災害対策として、家庭用蓄電池を導入する動きが一気に急増したと考えられます。

商品数が増えたため、いざ家庭用の蓄電池を購入しようとなっても、販売しているメーカーやそのラインナップがたくさんあり、どれを選んだら良いのか迷ってしまう方もいます。 下記でご紹介するのは、主要な蓄電池メーカーです。

容量、機能、寿命や種類など、さまざまな観点から自分たちご家庭に合ったタイプはどれか、探してみましょう。

伊藤忠商事 ネクストエナジー DMM
テスラ オムロン デルタ
村田製作所 ニチコン パナソニック

ハイブリット型と単機能型

ハイブリット型の蓄電池は、1台のパワコンを太陽光発電システムと共有しています。これにより、太陽光で発電した電力を直流から交流に変換する回数は1回で済み、蓄電池へ効率よく充電できます。停電時も3kwくらいの出力があるので、安心して電気を使えます。機能面で優れる分、同じ容量なら単機能型に比べてハイブリッド型の方が価格は高めです。

単機能型の蓄電池は、パワコンが太陽光発電と別々のタイプです。既存の太陽光発電用のパワコンをそのまま使えるので設置費用が抑えられます。本体価格もハイブリット型に比べて低めです。

単機能型の注意点としては、太陽光発電用と蓄電池用と2台分のパワコンスペースが必要であることと、停電時の出力は1.5kWまでとハイブリット型に比べて少ないことです。

太陽光パネルを使用して10年未満の方は、パワコンを交換せずに済む単機能型がおすすめです。反対に卒FITを迎える方は、パワコンの保証期間に合わせてハイブリット型を選ぶのがよいでしょう。

家庭用蓄電池のハイブリッド型と単機能型の詳しい情報は以下の記事をご覧ください。
→家庭用蓄電池選びの必須知識!ハイブリッド型と単機能型を比較

容量の違い

各メーカーがさまざまな容量の家庭用蓄電池を販売しています。基本的には蓄電容量が大きくなればなるほど、価格も高額になります。

必要以上に大きな容量の蓄電池を使っても効率が良くありません。まずは自分たちの生活でどのような家庭用電化製品を使うのか、そして消費電力はどれくらいなのか理解すると、必要な容量がわかります。

停電が起きた時に、最低限の生活に必要な電力は1世帯あたり5kWhから7kWhくらいとされています。これは平均的な数値で、大家族やオール電化住宅の家庭ならこれより大きめの容量が必要ですし、出張や旅行で留守にしがちな家なら、もっと小さな容量で足ります。

ご家庭によって必要な容量は違うので、自分たちのライフスタイルに合った容量の蓄電池を選びましょう。

必要な家庭用蓄電池の容量の詳しい情報は以下の記事をご覧ください。
→自宅に合う蓄電池の容量はどのくらい?選び方のポイント

全負荷型と特定負荷型

全負荷型の蓄電池は、停電が起きた時でも家中至るところで電気が使えるタイプです。この全負荷型の蓄電池は家全体をバックアップするために容量が大きめの商品が多いです。

そして太陽光発電と連携しているタイプが多くあり、電力会社から購入した電気だけでなく、太陽光で発電した電気を貯められます。

価格は、特定負荷型よりも高めなものが多いです。オール電化住宅や家族が多い世帯ならば、全負荷型がおすすめです。

特定負荷型の蓄電池の場合、停電時にどの部屋、どのコンセントを使用するか決めておく必要があります。限られた部屋やコンセントだけしか電気を使えませんが、使用する電気が限定され少ない分、長く使うことができます。そして全負荷型に比べて本体価格が抑えられています。

全負荷型と特定負荷型の詳しい情報は以下の記事をご覧ください。
→家庭用蓄電池|全負荷型と特定負荷型のメリット・デメリットは?

家庭用蓄電池の寿命

家庭用蓄電池には寿命があり、それは使用期間とサイクル数によって決められます。電池のタイプによりその使用年数は違い、リチウムイオン電池だと6年から10年、鉛電池だと17年くらいが目安です。

そして蓄電池を100%充電の状態から0%まで使いきって放電したあと、改めて100%充電するまでを1サイクルとしたサイクル数も寿命に関係します。サイクル数はリチウムイオン電池で3,000回、鉛電池で3,150回が目安です。

1日に何度も充電をくり返すと、当然寿命は早まります。また、蓄電池を置く環境も寿命を左右します。高温多湿で風が通りにくい場所に置くと、電池内部に使用されている触媒からガスが発生しやすくなります。この状態では過充電やショートが起きやすく、早く蓄電池が劣化するリスクが高まります。長く蓄電池を使用するためにも、充電のし過ぎや設置場所には注意しましょう。

家庭用蓄電池の寿命の詳しい情報は以下の記事をご覧ください。
→蓄電池の寿命はどのくらい? 長持ちさせるポイント解説

家庭用蓄電池の仕組み

家庭用蓄電池は使い捨ての乾電池とは違い、繰り返し使用できます。蓄電池に電気を貯めることを充電、充電された蓄電池から電気を使うことを放電といいます。

一般的な蓄電池について

  1. 鉛蓄電池
    蓄電池の中では歴史が長く安全性が確立されており、他のタイプの電池より安くて寿命が長いのが特徴です。
  2. ニッケル水素電池
    寿命もサイクル数も他の電池より短いので、あまり太陽光発電では使われません。 日本では供給を減らしているレアアースを材料に使用しているため、ますます太陽光発電の蓄電池で見る機会は減ってしまうでしょう。
  3. リチウムイオン電池
    太陽光発電用に使われる、蓄電池では主流の電池です。多くのメーカーがさまざまな種類のリチウムイオン電池を販売し、今も改良を続けています。こうした背景から今後は需要がさらに増え、価格も下がることが期待できます。
  4. NAS電池
    日本の企業が開発した蓄電池です。大容量でありながらコンパクトなのが特徴です。

家庭用蓄電池の購入方法

ここまで紹介てきた項目を検討した上で、家庭用蓄電池を購入する方法を説明します。まず業者に見積もりとシミュレーションをしてもらいます。マンションでの設置も考えられます。また、購入せずレンタルやリースする選択肢もあります。詳しく見ていきましょう。

業者に見積もりやシミュレーションを依頼

購入を検討する時に、忘れてならないのが業者の見積りです。お住まいの地域に対応できる複数の業者で見積りを出してもらいましょう。蓄電池のメーカー毎に違いはありますが、容量が大きいほど貯められる電気が多くなり、高額になります。

また、停電になった時に家全体の電気をカバーできる「全負荷型」と、選択した電源のみカバーできる「特定負荷型」の2タイプがあり、同容量で比較すると特定負荷型の方が低額です。ご家庭の同居世帯・人数や年代(小さな子供やお年寄り)やペットの有無などを踏まえ、蓄電池に求める電気の使い方を考える必要があります。

さらに、「導入時の初期費用に対してどのようなコストパフォーマンス(費用対効果)があるのか」など、業者にシミュレーションしてもらうことも大切です。どれくらい使用したら元が取れるか、日々の使用でどれだけお得になるかがわかります。

リースやレンタルする

レンタル(リース)とは、購入するのではなく、毎月レンタル料金を支払うことで一定期間蓄電池をレンタルできるサービスのことをいい、貸出期間は10年間です。

メリットは、蓄電池の購入とは違い、初期費用がかからないことです。月々のレンタル料金だけで蓄電池を使えます。また、定期的に必要となるメンテナンスや修理費用も毎月のレンタル料金に含まれているので、余計な手間や費用は発生しません。

一方、リースされる蓄電池のメーカーや容量が指定され、性能を自分で選べません。また、10年の契約期間途中にやむを得ず解約する場合には、「解約金」の支払いが求められてしまいます。

家庭用蓄電池のリースやレンタルの詳しい情報は以下の記事をご覧ください。
→購入よりお得?!蓄電池をレンタル(リース)するメリットや費用

マンションの場合

結論からいえば、マンションなどの集合住宅での家庭用蓄電池の利用は難しいでしょう。設置には工事で壁に穴を開ける必要があり、原状回復が困難になります。

それでも、マンションオーナーにとっては、蓄電池や太陽光発電の導入は検討に値するものといえます。例えば共用部分の照明に使えば、売電して家賃以外の収入が得られます。広く、使われていないマンションの屋根や屋上は、日当たりが良く太陽光発電の設置に適しています。

しかし、高額な初期費用がかかり、その回収には時間がかかります。その上、既に入居者がいるマンションでは、設置に全入居者の同意が必要になるので、注意が必要です。

リーフなど電気自動車の蓄電池を使う

日産のリーフに代表される電気自動車(Electric Vehicle、EV)は、EVパワーステーションという充電設備を置くことや太陽光発電パネルと組み合わせることによって、家庭用蓄電池として活用できることをご存じでしょうか?

蓄電池に比べスペースをとりますが、初期費用の費用対効果を考えると、容量が大きく蓄電量も多い電気自動車が優れています。非常用電源として、電気の調達手段がある安心感も大きいでしょう。

さらに、ニチコン株式会社の「トライブリッド蓄電システム」は、日中に太陽光発電した電気を蓄電池に貯め、夜間にEVへ充電しようとするもので、電気の自給自足を目指します。

蓄電池の訪問販売への対処方法

近年見られる災害時への備えとして家庭用蓄電池に関心が高まるにつれ、蓄電池を扱う訪問販売のトラブルも増えています。詐欺まがいのセールストークに騙されないよう正しい知識を以下から学びましょう。

訪問販売のトラブル例

突然の訪問で、心の準備ができていない消費者に「強引に即決を迫る」ケースが独立行政法人国民生活センターに多く相談されています。例えば、

  • 「蓄電池を導入して自家消費しないと損しますよ」
    消費者の不安をあおって契約締結に持ち込もうとします。
  • 「太陽光発電には必ず蓄電池を付けなければなりませんよ」
    確かに太陽光発電と蓄電池を併用した自家消費が推奨されていますが、必ずしも設置は義務ではありません。
  • 「電気代の節減で月々ウン万円の経済効果が出るのですぐに元が取れますよ」
    導入する蓄電池の種類や、国や地方自治体から補助金の支給によっては数年で初期費用を回収できる場合もありますが、必ず元が取れるとは限りません。

訪問販売でトラブルを防ぐ方法

訪問販売は、あくまで検討する“きっかけ”として捉えましょう。安い買い物ではありませんので、決してその場で契約はせず、比較できるよう複数の業者に「同じ条件で」相見積りをとりましょう。

業者の利益・営業活動費用やセールスマンの歩合給が上乗せされているものが訪問販売での価格だと理解しておくことが賢明です。また、キャンペーンで「今だけ」「工事代無料」と持ちかけられたり、セールスマンが名刺を渡さなかったりする場合は要注意です。

販売実績がどれだけあるか、保証範囲・年数は明示されているか、アフターフォローは充実しているか、ノウハウの蓄積があるか、複数のメーカーの製品を取り扱っているか、など業者のチェックも忘れずに行いましょう。

訪問販売ではクーリングオフが可能

もし契約を締結した場合でも、特定商取引法でクーリングオフ制度が利用できます。締結日から8日間であれば、契約解除の意思を書面で通知することで、一方的に無条件で解除できます。

クレジット契約は、業者とクレジット会社に同時に通知します。両面コピーを手元に残し、原本は発信記録が残る「特定記録郵便」あるいは「簡易書留」で送付します。後々の紛争を回避するために、関係書類は5年間保管しましょう。

家庭用蓄電池の訪問販売の手口や対策方法について、以下の記事で解説しています。
→蓄電池は無料で設置できる?訪問販売の手口と対策を解説

家庭用蓄電池の設置

近年見られる自然災害での停電への備えとして、あるいは家庭で利用する電力の節減効果を上げるため、家庭用蓄電池の設置を検討する際に知っておくべきこと、設置までの流れ、蓄電池の設置と消防法についてみていきましょう。

家庭用蓄電池のみを設置する場合

先述したとおり、太陽光発電がなくても家庭用蓄電池だけを導入することができます。太陽光発電パネルを取付けるスペースの確保ができず諦めていた方や、マンションにお住まいの方には朗報です。

電気料金が安い夜間の時間帯に、電力会社から供給を受け蓄電池に電力を貯めて(蓄電)、昼間は深夜に蓄電池に貯まった電力を使う(放電)。蓄電池から放電のフローの繰り返しになります。電気を購入するのは夜間の安い電気料金だけなので、昼夜の料金の差が大きければ大きいほど、電気代が節約できます。

また、思いがけない災害、停電時に電気が使えない不安を払拭できる非常時のバックアップ機能があることも安心につながる重要なポイントです。天候に左右されずに、安定して電気を使える家庭用蓄電池の設置に際しては、国(SII、一般社団法人環境共創イニシアチブ)とお住まいの地域によっては地方自治体からも補助金が交付される場合があります。

家庭用蓄電池設置までの流れ

  1. お問い合わせ
    お客様からメールやお電話でいただくお問い合わせに、担当者が対応いたします。
  2. 現地調査(ご自宅訪問)
    専門スタッフが、蓄電池の設置場所・設置方法などを確認しにご自宅まで伺います。
  3. お見積り、ご契約
    現地調査の結果を踏まえて、お見積書を出します。ご不明・不安点なく、お客様がご納得いただけたら契約完了となります。
  4. 設置工事
    設置場所の基礎工事を行います。工事・施工不備にならないよう、地盤を強化したうえで 蓄電池を設置します。蓄電ロスにならないよう、蓄電量を超える余剰電力を売電するため、電力会社と連係します。1日から2日ほどお時間をいただきます。
  5. 運転開始
    設置が完了したら運転開始です。

蓄電池設置と消防法

現在、家庭用蓄電池として用いられているのは、ほぼリチウムイオン電池です。小規模で大容量の蓄電ができ、コンパクトなうえ低価格であることから、据え置きタイプの家庭用蓄電池に向いています。

しかし、スマートフォンのバッテリーの発火事件にも見られるように、不具合が生じた場合に、火災などの直接的な原因になりかねないため注意が必要です。そのため、消防法第9条により、市町村の火災予防条例で位置、構造および管理が規制されています。

建物から3メートル以上離して、漏電を避けるために浸水のおそれのない場所に、転倒や落下などの衝撃を受けないよう配慮します。商品が消防法に適合しているかは施工業者に確認してもらいましょう。

まとめ

この記事では、卒FITを迎えたご家庭を中心に導入する方が増えている家庭用蓄電池の基礎知識を紹介しました。

導入すると電力会社から購入する電気量を減らし、電気代の節約になる可能性が生まれます。近年多発している台風や地震などの非常用電源の役目も果たし、安心に繋がります。

また、太陽光発電と組み合わせると、さらに消費エネルギーを抑えることができます。初期費用が高くなるおそれがありますが、自治体などからの補助金を利用することで、その負担を減らすこともできます。これからは需要の増加に伴って価格の低下も十分考えられますので、蓄電池業界の動向から目が離せません。

当社、蓄電池設置お任せ隊では、豊富な実績を元に家庭用蓄電池の購入やお住い地域の補助金などのご相談を受け付けております。気になる方はお気軽にご相談ください。

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