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2020.01.28基礎知識
容量
あ!先輩!!
実は自宅に合う蓄電池を探してるんですけど、種類も機能も似たものが多くて何を選べば良いかさっぱりで...
蓄電池選びで最初に参考にするのは、
まずは【容量】ね!
蓄電池の容量って4.2kWとか8.2kWとか書いてあるやつですよね?
そうよ
蓄電池にはそれぞれ容量が決まっていて、
容量が大きいほどたくさん電気を貯めたり使ったりできるの。
なるほど!
じゃあ容量が1番大きい物が良いですね!
ちょっとまって!
単純に容量が大きい蓄電池を選ぶと損する場合があるわ。
蓄電池の容量には決め方があるの。
そうなんですか!?
先輩! 詳しく教えてください。
じゃあ、今回は蓄電池の【容量】について、
基本と容量の決め方について説明していくわよ!!
蓄電池を購入する際に、まず注目したいのが「容量」です。各メーカーから家庭用蓄電池が販売されていますが、それぞれメリット・デメリットがあります。蓄電池を選択するポイントとして他にも寿命や出力等が挙げられ、各需要家の用途にあわせ適切な容量をもつ蓄電池を選ぶ必要があります。
そこで本稿では、蓄電池購入のポイントのひとつである「容量」について解説していきます。蓄電池選びの参考にしてみてください。
では、蓄電池購入の決め手となる要件は何でしょうか。第一に考えたいのが、「一体どの位の容量が必要なのか?」です。各メーカーから多数の蓄電池がラインナップされていますが、仕様に記載された情報を眺めても初めての方にとってチンプンカンプン。これではベストな蓄電池がどれか判断できません。
蓄電池は基本的に容量が大きいほど高額になります。そのため必要以上の容量の蓄電池を購入してしまうと、費用だけが高くなり宝の持ち腐れとなります。
具体例として、デルタ電子の蓄電池「ES6JB1」の仕様の一部をみましょう。
定格蓄電容量 | 5.6kWh | 蓄電池の容量 |
初期実効容量 | 4.4kWh | 実際に使用できる蓄電容量 |
定格蓄電出力 | 2.5kW | 一度に電気を出せる量 |
一番上の「定格蓄電容量」が、蓄電池に電気を貯められる容量を表します。
kWhという単位は「1時間当たりの消費電力量」を指します。例えば、消費電力40Wの冷蔵庫を1時間使用し続けたときの消費電力量を計算すると計算式は...
0.04kW(消費電力)X1h(使用時間)=0.04kwh(1時間あたりの消費電力) になります。
蓄電池の容量が5.6kWhの場合...
5.6kWh÷0.04kwh(1時間あたりの消費電力)=140時間(使用可能時間)
消費電力40Wの冷蔵庫の連続使用可能時間は約140時間に相当します。
昼夜いずれかで蓄電池を使用するにせよ、1日の電気消費量を見積もることが購入の第一歩になります。
では、家庭での消費電力量をどう見積もれば良いでしょうか。一般家庭用の電化製品の消費電力量を示した一覧表を以下に示します。
照明(40Wタイプ) | 36W |
ノートパソコン(1台) | 20~50W |
テレビ(40型液晶) | 140W |
冷蔵庫(370L) | 40W |
洗濯機(7kg/ドラム型洗濯機) | 220W |
家庭用エアコン(冷房) | 400~500W |
家庭用エアコン(暖房) | 400~600W |
あくまで目安ですので、各家庭の家電製品の消費電力量で適宜読み替えて下さい。
では、実際に電力消費量を計算します。
19時から次の日の7時まで12時間、夜間だけ家電製品を同時使用すると仮定します。
冷蔵庫(40W)、パソコン(30W)、照明(36W)、エアコン(400W)の電力消費量は...
506W(40W+30W+36W+400W)×12時間=6,072W(6.07kWh)になります。
この電力消費量に照らし合わせて、蓄電池容量を見積もります。
上記条件でオムロン蓄電池(KPAC-B-SET-1)の容量8.4kWhの場合...
8.4kWh(蓄電池の容量)÷0.506kwh(1時間あたりの消費電力)=16時間(使用可能時間)
一般的に、冷蔵庫・テレビ・エアコン・パソコンといった機器の電力消費量が大半を占めますので、すべての家電製品を想定する必要はありません。
価格や機能と同時に注意したいのが、蓄電池の容量です。ソーラー(太陽光)パネルで発電した電力のうち、買取される以外の余った分あるいはすべてを自家消費用に蓄えるのが、蓄電池の一般的な用途です。つまり、ソーラーパネルの発電量に対応した蓄電池容量を選択する必要があります。
たとえばシステム容量が4kWのソーラーパネルが設置されていると仮定しましょう。これはソーラーパネルをフルパワーの状態で使うと、1時間に4kWhの電力量が貯まることを意味します。実際には日射量や発電のロスが加味されます。
1kWのソーラーパネルに対し、1日平均で発電される電力量は3.0kWh程度です。つまり4kWのパネルが載っているなら、1日で約12kWh発電する事が出来ます。昼間に使用する電力を差し引くと、蓄電する電気は約8kWです。 これに対し蓄電池の容量を11kWhと大きくしすぎると、充電に時間がかかりすぎます。容量が合っていないため、蓄電池の機能が 活用できていない事になります。
環境省による電力使用状況に関する調査によると、首都圏の一戸建ての電力消費量は1日あたり平均13kWh程、月最大でも18kWhです。集合住宅の場合、平均で8.6kWh、最大で11.4kWhです。
一方、出力4kWの太陽光パネルの場合、1日の発電量は12.5kWh程度。このすべてを蓄電池で賄う必要はなく、5kWh~7kWhを蓄電池で夜間使用分を充電すれば、電力会社から購入する電気はほとんど必要なくなります。
上記の場合、災害時など緊急時には通信手段用の電力を残すとしても、7kWhの蓄電池容量があれば十分だと考えられます。
蓄電池のタイプは、電力会社から購入する電気で充電する「独立型」、太陽光発電からも充電可能な「連携型」、電気自動車からの充電・放電が可能な「EV対応型」の大きく分けて3つのタイプに分かれます。
用途に応じて、どのタイプが必要かも変化します。
例えば、ネクストエナジーの「NX3098-HNS」の場合、連携型なので太陽光発電で発電した電気と、電気が安い深夜帯に電力会社から購入した電力も蓄電池に貯めることができ、昼夜両方でより多くの電気を自家消費することができます。
また、出力200Vを必要とするオール電化家電(エコキュート・HIクッキングヒーター等)にも電源を繋げることが可能です。
蓄電池選びには「定格蓄電出力(出力)」も重要です。ノートパソコンや携帯電話等のバッテリーと異なり、家庭用蓄電池では複数の家電製品が消費する電力に対応しなければいけません。
つまり最大出力が小さい蓄電池だと、エアコンのような大量に電力を消費する家電製品などを同時に使用できない仕組みになっています。
蓄電池の購入は予算との兼ね合いになるでしょう。しかし、使用目的や性能、利用したい家電をきちんと理解しないでシェアや価格だけをみて判断すると、「安物買いの銭失い」になりかねません。
容量や出力といった用語と理解し、専門代理店やメーカーに用途や費用を的確に伝え、アドバイスを受けながら選定を行うのがベストでしょう。
へぇ、蓄電池の容量って使用電力や太陽光発電の発電量も考えて決めるんですね。
家電の電気計算とかもあって大変そうですね。。。
そうね。
でも、1つ1つの家電を計算する必要ないの。
月々の発電量や電気使用量が分かれば、停電時にどの容量でどのくらい電気を使えるか、電気料金がいくら削減できるかシミュレーションを出してもらえるわ!
シミュレーションがあれば蓄電池の容量は何が良いかすぐわかりますね!
HIクッキングヒーターやエアコンを蓄電池で使用する場合は200V対応の蓄電池を選ぶ必要もあるわ。
家族構成やライフスタイル、太陽光パネルとの相性もあるから、専門家に相談した上で決めた方が安全ね。
家庭の電化製品の容量や出力を知り、「どのぐらい使用できれば良いか」という事を考えると、最適な蓄電池選びに役立ちます。 普段の生活で家電を多く使うなら、最低限の容量の蓄電池よりも、大きめの容量の蓄電池を購入しておくと、もしもの時も安心です。
また、ここ数年で蓄電池の価格が低下しています。容量の大きい蓄電池も安くなっているので、導入するハードルが下がってきたと言えます。 ただ、同じメーカーの製品でも、業者によって見積り額が違う事があります。蓄電池の比較だけでなく業者間の比較もする事で、より安心して蓄電池の購入が出来ます。
容量について予備知識ができたところで、実際に各メーカーが出している蓄電池をカテゴリーごとに比較してみましょう。
※表は横スクロールでご確認ください。
パナソニック | 村田製作所 | オムロン | デルタ | ネクストエナジー | ||
---|---|---|---|---|---|---|
商品型番 | PLJ-25532 | MPR01S4023MR | KPAC-Aシリーズ | KPAC-Bシリーズ | ES6JB1 | NX3098-HNS |
蓄電容量 | 5.6kWh | 2.3kWh | 6.5/9.8kW | 4.2/8.4kW | 5.6kWh | 9.8kWh |
定格電圧 | 100/200V | 100V(自立運転時) 200V(連携時) |
200V | 200V | 200V | 200V |
寿命 | 3,650回 | 15,000回 | 8,000回 | 8,000回 | 非公開 | 6,000回 |
メーカー保証期間 | 10年 | 15年 | 15年 | 15年 | 10年 | 10年 |
特徴 | 長寿命 | 長い保証期間 | 1日2サイクル充電・放電可能 | 壁掛け設置可能 | エアコン、IHに対応可能な出力 |
各メーカーとも、蓄電池容量は数kWからラインナップされています。オムロンは容量の異なる2種類がありますが、KPAC-Bは1日2回の充電・放電が可能です。つまり容量だけで判断できない点に注意しましょう。
容量以外の他の項目も、購入の検討に重要です。特に注意したいのは、出力、寿命、保証です。特に出力は、どの家電製品を蓄電池で賄うかという事に関連します。
停電時など自立運転時には100V出力の蓄電池も販売されていますが、IHやエアコンを使いたい場合には出力は200V必要です。
寿命は、充電と放電を何回繰り返す事が出来るかという数で表されています。何年使って交換が必要なのか予測する事が出来ます。
最後に保証です。保証期間だけでなく、各メーカーが用意した独自サービスも併せて確認しましょう。
家庭用蓄電池は、太陽光発電とするメリットが大きくなると予測できます。FIT終了後に電気の売電価格は8~10円/kWh程度と発表されており、初期に契約した価格から約5分の1まで下落します。一方、電力会社から買う電気は25~30円程度。そのため、太陽光による電力を蓄電池に貯め、自家消費する事が得になっています。
日本は地震や台風といった大規模災害が頻繁に発生する国です。
2019年の台風19号では、千葉県の大規模停電解消までに約2週間を要しました。また、地球温暖化による降水量の増大や台風の大規模化も懸念されています。蓄電池による自家発電が可能になれば、災害時でも電気に困らない生活が可能です。
再生可能エネルギー活用への機運の高まりも大きいでしょう。COP21で採択されたパリ協定で、脱炭素化に向けた取り組みが推進されています。
日本の発電は石炭による火力発電に大きく依存しており、二酸化炭素の排出量や電気料金の高騰が懸念されています。かといって、原子力発電の普及拡大も、東日本大震災時の被害を振り返れば現実的では無いでしょう。
太陽光発電と蓄電システムをセットにし自家発電することで、これからの電気料金の高騰と災害対策を同時に実現することが求められています。
蓄電池の容量は消費電力量×時間(kWh)で計算できるので、1日の消費電力量を見積もりましょう。必要容量の目安は5kWhから7kWh程度です。出力は一度に使用できる電力量で単位がkWと異なるので、混同しないように気を付けましょう。
容量を把握したら、用途との兼ね合いです。IHやエアコン用に電源を繋げたい場合には200V必要です。仕様に記載されたサイクル数から寿命の見積もりが可能で、保証期間と比較できます。
専門業者に購入の件で問合せする場合には、容量と用途をきちんと押さえましょう。電力を割り当てる家電製品や、使う時間などを曖昧なまま相談すると、意図と異なる商品を勧められる可能性もありますので注意しましょう。
蓄電池に関する情報には慣れない用語が多々あり、訪問販売などでは必要容量以上の高額商品を勧めてくるケースも報告されています。
お任せ隊では、ご家庭の発電量や使用電力など、綿密にヒアリングさせていただき、導入前に無料のシミュレーションを行っております。複数社の見積りを比較して、費用対効果が最も優れた蓄電池選びをご提案いたします。
「自宅に合うモノがわからない!」などのお悩みもご相談を承りますので、ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。
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