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2020.04.02基礎知識
「電気代が毎月上がっている気がする……」
こんな風に思っている方も多いと思います。
この記事では、
○日本における電気料金の推移や流れ
○家庭の電気料金による経済負担の今後
○電気料金が高騰したドイツで進む対策
○蓄電池で電気料金高騰リスクなどから回避
などの内容について、分かりやすく解説していきます。
ここでは、日本における電気料金の推移と流れについてご紹介していきます。
2000~2017年度の日本における、大手電力会社10社の電気料金平均単価の推移は以下のとおりです。
出典:経済産業省「第3弾改正法施行前検証~電気料金の検証~」
上記の電気料金平均単価の推移を見ると分かる通り、2010年度までは値下がりもしくは「16円/kWh」あたりで落ち着いていた電気料金単価が、2011年度から急激に上昇しはじめたことが分かります。
この理由は東日本大震災の発生です。電気料金の平均単価を震災前の2010年と震災後の2017年で比べてみると、家庭向けは約16%、産業向けは約21%も上昇しています。これは、東日本大震災によって原発が停止し、その分の発電量を補うために火力発電所の稼働率が増え、それに伴って必要な燃料費が増加したことに由来しています。
また、2008年度だけ突発的に電気料金が上がっているのは、アメリカで発生したリーマンショックによる燃料費(石油や石炭など)の高騰が原因であると推測できます。 このように、震災などによる災害や、国際的な経済問題による石油・石炭などの価格上昇によって、電気料金は値上がりしてしまうことが分かると思います。
2000~2017年度における電気料金平均単価の推移についてご紹介してきました。 実は2018年度以降も、電気料金の値上がりは続いています。毎月の電気代の請求書を見て、「今月も上がっているなあ……」と思ったことがある人も多いと思います。
ここからは、電気料金が値上がりを続ける原因について見ていきたいと思います。
電気料金が値上がりを続けている理由のひとつに、再エネ賦課金があります。
再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)とは、太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が買い取る「固定価格買取制度(FIT)」の導入に伴い、電気を契約している国民全員が負担している費用のことを指します。
再エネ賦課金は2012年(平成24年)に導入されましたが、それ以降は以下のように値上がりを続けています。
参考資料:経済産業省「平成25年度2050年再生可能エネルギー等分散型エネルギー普及可能性検証検討報告書」
上記の価格推移を見ると分かる通り、再エネ賦課金が導入時された2012年度から2019年度までで、実に13倍以上も値上がりしています。 そして、固定価格買取制度はまだ継続されているので、再エネ賦課金は今後も値上がりが続くと予想されています。
2013年に経済産業省がまとめた資料によると、再エネ賦課金は2030年にピークを迎え、少なくとも2050年頃までは継続すると予想されています。 ただし、この資料でピークとされていた2030年時の再エネ賦課金の金額は「2.95円/kWh」ですので、予想よりも値上がりのペースが早いことが分かります。
冒頭の項目でもお伝えしたとおり、日本では東日本大震災以降、多くの原発が運転を停止しています。その影響による電力不足分を補うため、現在の日本は多くの電力を火力発電に依存している状況です。
それにともない、国際情勢などによって石油や石炭といった火力発電に使用する燃料費が高騰すると、電気料金も値上がりしやすい状況が形成されています。ちなみに燃料費の値上がりや値下がりは、電力会社ごとに「燃料費調整額」という制度を設け、電気料金に反映される仕組みになっています。
家庭における電気料金の値上がりは、昔に比べて使用する電化製品が増え、それにともなって消費電力が増加したことも一因ではないかと思われます。
ただし、最近の電化製品が省エネ性能に優れたものが多く、逆に10~15年前のエアコンなどの電化製品を使い続けている場合のほうが、余計に電気代がかかってしまう場合もあります。
ここからは、高騰する電気料金への対策として、日本と同じように電気料金が高騰してしまったドイツの例を参考に見ていきましょう。
はじめに、ドイツにおける電気料金の推移を見ていきましょう。
上記の通り、ドイツの電気料金は2000年~2019年にかけて倍以上値上がりしています。
ドイツの電気料金が値上がりした背景は日本とは異なりますが、ドイツの場合は電気料金値上げへの対策として、蓄電池と太陽光発電を組み合わせて自家消費を行う家庭が増えています。
ドイツで蓄電池や太陽光発電が普及した背景には、グリッドパリティ(ストレージパリティ)があります。
グリッドパリティおよびストレージパリティとは、以下の意味になります。
○グリッドパリティ:太陽光発電の発電コストが電気料金を下回ることを指します。
○ストレージパリティ:蓄電池の導入コストが電気料金を下回ることを指します。
ドイツでは、電気料金の高騰によって、太陽光発電と蓄電池のコストが下がり、一般家庭の多くが太陽光発電と蓄電池を導入して自家消費するケースが増えてきています。
これにより、電力会社から電気料金を購入するのではなく、「電気は自宅でつくる」という考え方が広まっていきました。電力会社からの電力購入量を減らすことができれば、必然的に電気代の削減にもつながるというわけです。
上記のドイツの例を見ても分かる通り、電気料金の高騰に対するリスクには、蓄電池や太陽光発電の導入が効果的であることが分かりました。
日本においても、蓄電池を導入することによるメリットを具体的に示すと、
といった効果が期待できます。
「蓄電池が電気代を削減する効果があるのは分かったけれど、具体的にどれがオススメなの?」という疑問をもつ方も多いと思います。
2020年現在でオススメできる蓄電池は、以下のリンク先ページをご覧ください。
→おすすめの家庭用蓄電池一覧
蓄電池の選び方で迷ったら、以下の記事をご覧ください。
→家庭用蓄電池のおすすめメーカー比較
すでに日本では「グリッドパリティ」の状態にあり、太陽光発電を行っている家庭なら、電気を買うよりも「自分で作って使う」事がお得な時代に突入しています。
また、将来的に「ストレージパリティ」の状態になり、家庭に蓄電池を導入することで経済的にメリットが出る、という日が近いかもしれません。今のうちから蓄電池を導入し、コストを抑えながら災害に備える事も一つの選択肢です。
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