- 2020.07.08基礎知識
- 太陽光発電と蓄電池併用のメリット・デメリット|電気代がお得に
2020.06.30基礎知識
省エネやCO2削減など自然環境保護につながり、社会的に必要性の高い家庭用蓄電池は、太陽光発電などの再生可能エネルギーを最大限に有効利用できるものとして注目されています。
蓄電池のメリットは、購入者側から見ると、近年多く見られる自然災害や非常時の備えとして、また家計において電気代削減による経済効果を得られることにあるでしょう。
国や地方公共団体も補助金を出して普及と促進を図っています。しかし、まだまだ初期費用がかさむのが現状です。
決して安くはない蓄電池を購入する前に、トラブルを回避し失敗しないためのポイントを整理しておきましょう。以下、起こりがちな6つの失敗例とその原因・失敗を防ぐポイントを詳しくご説明します。
「せっかく蓄電池を置いているのに、まだ効果が感じられないんだけど?」 これは、検討を重ねた末にようやく設置できた高揚感などから、すぐ結果を求めてしまいがちなケースです。
蓄電池のメリットは、電気を貯め、貯めた電気を好きなときに使うことで、非常時の電気利用と深夜電力の有効利用が挙げられます。万一停電が続いてしまっても、テレビやパソコンで社会やご家庭の置かれている状況がチェックでき、普段と変わりなく家庭用電気器具を使用し生活できる安心感があります。
日々の生活の中で効果が感じられなくても、電気料金の明細書で数字として実感できます。あらかじめ光熱費や売電、買電のシミュレーションをしてもらって、どの位お得になるか知っておくのがいいでしょう。また、太陽光発電システムと併用することで、蓄電はもちろん、発電・売電することができます。より一層、お得感に満足できるでしょう。
「要らない機能がついているし、この蓄電池、相場より高くないかしら?」 蓄電池を検討する方の多くはいわゆる卒FIT組の方々で、業者にいわれるまま契約を結んでしまうケースです。購入にあたってのトラブルの定番ですね。
比較検討は、購入時の鉄則です。複数の業者に相見積もりを出してもらうと大体の相場が分かります。あわせて次のポイントも押さえましょう。
すでに違う業者から説明してもらっているからといって罪悪感を持つ必要はありません。手間を惜しまず1社でも別の業者に相談してみましょう。
「お得だといわれ蓄電池を買ったのに、太陽光発電の発電量が減ってしまった」 太陽光発電のパワコンが故障したので後付けでハイブリッド型蓄電池を設置したら、太陽光の発電量が低下したというもので、かなりの発生事例があり問題となっています。
残念ながら、太陽光発電に関する十分な知識を業者が持ち合わせていなかったことに起因するものです。
既設のパワコンが何回路数対応できていたかを確認せず、従来なら「太陽光発電用」「蓄電池用」の2台必要だったものを、変換効率を上げ1台のパワコンにまとめたハイブリッド型蓄電池を勧めました。
新しいパワコンがその回路数に満たない場合、その差の回路分が行き先を失い発電量が低下します。設計上、パワコンごとに対応回路数に上限があるのです。
業者は提案をする際に、現地調査していれば回路設計の確認ができたでしょう。本来なら購入の検討段階で、設置場所・設置方法などの確認のために業者が現地に赴き、調査結果を踏まえ、ご家庭に合せた提案をするので、この事例は防げたはずでした。
「昼間と夜間の電気料金の差額で、電気代がお安くなるって聞いたのにならないわ。どうして?」
蓄電池を購入してもらうための定型のセールストーク「安い深夜電力を蓄電し、単価の高い昼間に放出して使うことでその差額メリットを得る」『夜と昼の差額』がないご家庭があることを理解できていなかった業者側のミスです。
2016年4月の電力小売全面自由化によって、電力システム改革が行われましたが、従来どおりガスを併用しているご家庭では、24時間365日いつでも同じ料金で、時間帯によって単価が変わる契約になっていないことがほとんどです。
しかし、大前提となる「電気料金昼夜の差額」がないので、夜間の料金が割安になる料金プランに変更しないといけません。そこで初めてセールストークが生きてくるのです。
事前になされる電気契約プランの確認を怠ったため、蓄電池を設置後も、業者・購入者が双方気づかずに、料金プランが変更されないままとなってしまったのです。知識のある販売業者なら、あらかじめ確認してくれるものです。
「道路に面している玄関扉の隣に設置されてしまった蓄電池、どうにかならないの?」 大容量の蓄電池を置くスペースが、工事の段階で玄関横にしかないことが判明し、ご希望に添えなかった、というケースです。
いざ購入の検討が進んで相見積もりをとり、シミュレーションを出してもらった段階でも、価格や機能面ばかりにとらわれ、肝心なサイズとその設置場所まで気が回らないことがあります。
設置場所は、その搬入が可能か、将来メンテナンス作業ができるようにプラス1mの点検スペースが確保できているかに加え、消防法による規制(浸水のおそれのない場所か、転倒・落下など衝撃を受けない場所かなど)をクリアできていることが必要です。
購入製品の候補が絞れてきたら、希望する設置場所にその製品を置くことができるかを業者と確認し、大きさと形をイメージするといいでしょう。蓄電池は高温に弱いため直射日光を避けることが肝要です。日当たりが良すぎると劣化スピードが速くなるため、家屋の北面が適しており、できれば南面に設置するのは止めた方が良いといわれています。
「配線工事のミスなのか、思った発電量が得られないわ」
「蓄電池の搬入時に、擦って外壁を傷つけられてしまった、どうしてくれるんだ」
「不要になった既設のパワコンを持って帰ってもらえると思っていたのに、撤去してくれなかったよ」
このように、設置工事におけるアクシデントやトラブルも散見されます。
まず、設置工事とは文字どおり蓄電池の設置を担うものと、蓄電池をご家庭の電気系統や太陽光発電システムにつなぐ電気工事があります。この2つの工事が、別々の業者によってなされることも珍しくありません。そこで上手く連携が取れるかが成否を分けます。
また、工事中の万が一に備えて、業者が賠償責任保険に加入しているか、施工保証や工事保証の範囲はどこまでかを事前にしっかり押さえておきたいところですね。
3つ目の事例は、ご家庭と販売業者あるいは設置工事業者のコミュニケーション不足が招いたものです。実際の現場においては、既設のいらなくなったパワコンを撤去しないのが主流なので、あらかじめ設置工事業者に要望を伝えておくことが大切になります。
ここまで失敗例を6つ見てきましたが、購入が失敗だったかもと悔やむのは実際に設置した後です。こんなはずじゃなかったと後悔せずに済むよう、業者に相談する前に、ご自身で家庭用蓄電池や太陽光発電システムの最低限の知識を身につけるようにしましょう。
電子レンジや冷蔵庫など他の家庭用電気器具と同じように、気軽に購入するものではありません。リサーチすることで、ご家庭の利用目的が明確になり、使用状況を把握できます。知識があれば自ずとできる質問が変わってきますので、業者の対応も違ってくるでしょう。
10年以上のつきあいになるので、信頼の置ける優良な販売業者・設置工事業者を選ぶことが大切です。
失敗原因の1つとして、業者の知識不足がありました。特に複雑な電気配線工事が必要な設置には、土台の基礎工事まで発生するリフォーム並みの工事が行われます。業者が電気工事士の資格を有しているか、メーカーで講習を受けた者だけが持つ施工IDがあるかを確認することを忘れてはいけません。
また、コミュニケーション不足で解釈のすり合わせがなされなかったケースもありました。失敗を防ぐには、以下の優良な販売業者・設置工事業者を選ぶことに尽きます。
この記事では、蓄電池購入を失敗しないために、失敗事例とその原因・失敗を防ぐポイントについてご紹介してきました。
すでに太陽光発電システムを導入されている方、月々の電気使用量が多い方、国や地方公共団体の補助金制度が利用でき購入を希望する方は、現在、蓄電池を購入することでメリットを感じられる方だといえます。反対に、毎月の電気代がそれほど高くない方、共働きなどで夜しか在宅しない方は、今はまだ購入を控えた方がいいでしょう。
信用できる優良な業者を見つけ、満足できる蓄電池購入を目指しましょう。
蓄電池のご相談やご質問
総合お問い合わせまでご連絡ください。
0120-75-11260120-75-1126
24時間365日受け付けておりますが、ご回答は翌営業日以降になります。
蓄電池のご相談やご質問はお気軽にお問い合わせまでご連絡ください。