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2020.03.25最新トピック
2019年11月以降、FITによる固定価格買取期間を終了するご家庭が出始めました。いわゆる卒FITです。しかし、ご家庭に設置された太陽光発電パネルは、国の買い取り保証期間である10年を過ぎた後も、発電をストップするわけではありません。
「新たに電力会社と契約を結び、余剰電力の売電を続ける」というのも一つでしょう。さらに、「家庭用蓄電池を導入し、発電した電力をできる限り自宅で使う(自家消費を増やす)」という方法もあります。発電した余剰電力をどうするのか。太陽光発電ユーザーは、卒FIT後の電力活用方法について改めて考える必要があるのです。
東京電力ではこうした太陽光発電ユーザーを対象に、卒FIT向け余剰電力の買取プランをスタートしました。
この記事では、東京電力が提供する「卒FIT向け買取プラン」の詳細を紹介するとともに、ご自身に合ったプランはどれか、新プランは本当にお得なのかについて解説していきます。
太陽光発電ユーザーで、卒FIT後も東京電力(東京電力エナジーパートナー)への売電を希望する場合、次の3つのプランから選択していくことになります。
今までどおり、余った電力を余剰電力として売電したい方向けのプランです。FIT終了後は、東京電力が定める、8.5円/kWh(2020年3月現在)という単価で、余剰電力を売電することになります。なお、卒FIT対象者が何も手続きしなかった場合は、自動的にこちらの「再エネ買取標準プラン」の契約へ移行します。
FIT終了前から東京電力に売電している場合は、そのまま売電できるため、新たな手続きが不要。
売電収入がFIT中より大幅に下がる。
・新たに手続きするのは面倒くさい。
・今後売電収入が減ってもそれほど気にならない。
ご家庭に蓄電池がなくても、余剰電力を東京電力に預けたとみなす仮想蓄電池サービスです。余剰電力は、東京電力に預かってもらい、他の時間に電気を使用した場合も、預けた余剰電力から電気を使用できるため電気料金を削減することが可能です。プランを利用するためには、別途月額4,000円のサービス利用料が必要です。
蓄電池を設置することなく、蓄電池のメリットを享受できる。
・固定の月額費用がかかるため、余剰電力量や使用状況によっては、得にならない場合がある。
・預けられる余剰電力の上限が250kWhに制限されている。※250kWhを超える余剰電力は、通常プランと同様、8.5円/kWhで買い取られる。
・あくまでも仮想蓄電池であるため、災害時に電気が使用できるわけではない。
・日中の電気使用量が多い。
・毎月の余剰電力が多い。
・蓄電池を設置したいが設置スペースがない。
初期費用0円、月々定額(月額7,900円~)のサービス利用料を支払うことで最新の蓄電池を導入し、万が一の災害時に備えるプランです。工事費や設置費用がかからず蓄電池を導入することが可能です。
蓄電池容量は5kWh、10kWh、15kWhの3つ、契約期間は10年、15年の2つから選択します。
蓄電池容量 | 10年契約時の料金 | 15年契約時の料金 |
---|---|---|
5kWh | 月額 9,900円(税抜) 1kWhあたり1,980円 |
月額 7,900円(税抜) 1kWhあたり1,596円 |
10kWh | 月額 14,900円(税抜) 1kWhあたり1,490円 |
月額 10,900円(税抜) 1kWhあたり1,090円 |
15kWh | 月額 19,900円(税抜) 1kWhあたり1,326円 |
月額 14,900円(税抜) 1kWhあたり993円 |
参考)東京電力「蓄電池エネカリ」詳細説明ページ
毎月定額の利用料だけで最新の蓄電池が導入でき、故障時の修理費用もかからない。
・トータルコストが蓄電池を購入する場合よりも高額になる可能性大。
・選択できる蓄電池が、京セラ製蓄電池「Enerezza(エネレッツァ)」に限定されている。
・日中の電気使用量が多い。
・毎月の余剰電力が多い。
・蓄電池を設置したいが設置スペースがない。
このように、東京電力の各プランにはそれぞれメリット・デメリットがあります。
定額機器利用サービスの「エネカリ」は、月額費用を支払うことで気軽に最新の蓄電池をリースできるというメリットはあるものの、10年または15年という長期の契約をする縛りがあり、総額は蓄電池を購入した場合と同等、あるいはそれ以上の金額になる点は注意したいところです。
「初期費用0円、月額7,900円~で最新蓄電池を導入」という内容は魅力的ですが、この月額7,900円はあくまで最安値で、15kWhの蓄電池を10年契約でレンタルした場合は月額19,900円になります。
月額料金だけで即決せず、10年15年のトータルコストを事前にシミュレーションした上で契約を検討したほうがよいでしょう。蓄電池の容量と契約年数ごとの支払い総額は下の表の通りです。
蓄電池容量 | 10年契約時の総額 | 15年契約時の総額 |
---|---|---|
5kWh | 月額 9,900円×12カ月×10年 =1,188,000円 |
月額 7,900円×12カ月×15年 =1,422,000円 |
10kWh | 月額 14,900円×12カ月×10年 =1,788,000円 |
月額 10,900円×12カ月×15年 =1,962,000円 |
15kWh | 月額 19,900円×12カ月×10年 =2,388,000円 |
月額 14,900円×12カ月×15年 =2,682,000円 |
レンタル費用の事を考えると、家庭用蓄電池を購入しなくても仮想的に蓄電池のメリットを享受できる「再エネおあずかりプラン」は、「エネカリ」よりもコストメリットという面ではよさそうです。しかし、仮想蓄電池プランも発電量や電気の使用量など、家庭の状況によってはメリットが出にくい点を十分理解した上で選択しましょう。
ご家庭によって重視するポイントはさまざまですし、毎月の太陽光発電量、買電量によってもコストメリットの出やすいプランは異なります。そのため、このプランがどの家庭にも最良と言い切ることはできません。ご家庭の状況、各プランのサービス利用料などからシミュレーションを行い、最適なプランを選択していく必要があります。
卒FITを機に、家庭用蓄電池を購入する人が増加しているのも最近の傾向です。安価な売電価格で売電するよりも自家消費量を増やしたいというコスト面の観点に加え、2019年に起きた台風15号など、自然災害による被害を目の当たりにしたことから、防災意識が高まっているのです。
蓄電池を購入する場合は、初期費用が発生します。しかし、最近の価格競争により、高性能な蓄電池の価格が値下がりし、コストパフォーマンスは飛躍的に向上しています。また、太陽光発電システムと相性がよく、高い相乗効果が得られる商品が次々と発表されていることも流通増加の後押し材料となっています。
すでに太陽光発電パネルを設置しているご家庭であれば、太陽光発電システムに併せて蓄電池を導入する事がスタンダードな時代も近いと言えるでしょう。
国もエコに関する取り組みを推奨しています。今後は蓄電池設置のための補助金が拡充される可能性も高いでしょう。国や自治体による蓄電池導入補助金で、よりお得に蓄電池を導入できること、そして蓄電池の最大のメリットとも言える「災害時の備え」。これらを総合的に考えると、蓄電池を導入するメリットは十分にあると言えます。
電力会社の各プランをシミュレーションすることに加え、蓄電池を購入することも選択肢の一つとして、比較検討してみるべきではないでしょうか。
今回は東京電力を例に、卒FIT向け電力プランについてご説明させていただきました。今後、各電力会社においてこのようなプランの整備が拡大していくと予想されます。
蓄電池設置お任せ隊では、各電力会社の電力プランや蓄電池の種類を組み合わせたシミュレーションや、卒FIT後に蓄電池を入れた場合と入れない場合の電気代のシミュレーションなど、様々な情報を提供させていただきます。
電力プラン以外の事も、蓄電池の事でご不明な点があればお気軽にお問い合わせ下さい。
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